※本稿は旧ウェブサイトからの転載となります。2020年のコロナ禍に、小中高校生向けに書かれたものになります。今後必要に応じて適宜修正を施していく場合があります。
こんにちは、またはこんばんは、コボナビ編集部です。
さて前回「今週中に次のコラムを」と書いておきながら、ちょっとずるずる先のばしにしてしまいました。
スミマセン。
さっそく参りましょう。
本当はいくつかに分割しようか、とも思ったのですが、たぶんずらずら何回にも分けてやってしまうと書いている方(私)も読んでいるあなたもきっとダレてしまうなと思って、なるべく一回でまとめることにしました(もし続きものになってしまったらスミマセン)。
そのため、けっこう流れがスピーディかも知れません。
ただ、ついてきてくれれば、基本的には選択式(マークシートなど)のテストであれば誰でも満点が取れるようになると思います。
「慣(な)れ」は、もちろん必要ですが。
ひとつだけ先にお話ししておくと、この授業では教科書やテスト用紙に、文章を正しく読むための「印」などを書き込むことをオススメしています。
とくに物語文・小説文などに「書き込みをすること」自体に抵抗(ていこう)がある方もいらっしゃるかもしれませんが、それならば頭の中だけそのマネをするだけでも構いません、そんな作業をしているつもりになって、読み進めてもらえたらと思います。
説明文(せつめいぶん)・論説文(ろんせつぶん)の読み方・コツ
さて、まずは「説明文」「論説文」の読み方・コツからいきましょう。
たしか小学校までは「説明文」、中学校からは「論説文」と呼ぶんだったと記憶していますが、どうだったでしょう。
いずれにしても、どちらも言っていることの意味は同じで、「なにかを説明する文章」のことを言います。
さて、なにを説明するんでしょうか?
わかります?
じつは、小学校から高校まで、もっと言えば将来大学に入ったとしても社会人になっても、説明文・論説文(ここからは説明文で統一(とういつ)しますが)が説明していることって全部いっしょで、それは「筆者(=その文章を書いている人)の言いたいこと」、言いかえると「主張」なんです。
だから、説明文を読むときは、まず、「この筆者は何が言いたいんだ?」「この筆者の主張はなんだ?」という部分を考えながら読むことが大事になります。
説明文・論説文を読むときの誤解(ごかい)
さて、しかし、ここで一つお話を挟(はさ)まなくてはなりません。
教えてきた経験上で言うと、説明文・論説文と小説文・物語文のテストの「デキ」を比べたとき、小説文・物語文のほうがテストの「デキ」、つまり成績(せいせき)がいい人が多いように思えます。
で、説明文がイヤだー!!!!って言っている生徒さん(わりと多い)によくよくお話を聞いてみると、「筆者の言っていることに納得(なっとく)いかない」っていう人がすごく多いんです。
「コイツの考え方がムカつく」って言ってる生徒さんもいました。
いまこの文章を読んでくれている人の中にも、そんな風に思っている人がもしかしたらいるのかも知れませんが、じつはそれが、「説明文・論説文を読むときの誤解(ごかい)」で、べつに作者の言っていることや主張に納得する必要も賛成する必要もないんです。
ここで求められているのは、あくまで「筆者の『言いたいこと』を正しく把握(はあく)すること」であって、逆に言えば、把握(はあく)さえできてしまえば、それに納得する必要も賛成する必要もないし、もちろんムカついたっていいわけなんです。
(むしろそのムカついた、などの部分に、国語が持っている本当の面白さ、ダイナミックな部分が隠れているわけなんですけども、これは最後のお話までとっておきましょう)
「ああ、コイツはこういうことを言いたいわけね」って正しく把握(はあく)ができたら、それでオーケー。
説明文の「コツ」は、半分つかめたも同然です。
説明文・論説文には、なぜか筆者以外の意見も入っている。なぜ?
いま上のところで「半分」といいましたが、残念ながら筆者の主張を把握(はあく)するだけでは、その説明文を「読めている」とは言えません。なんでか。
まことに不思議(ふしぎ)なことなんですが、説明文には、「筆者の言いたいこと」「主張」だけが書いてあるわけではないんです。それどころか、「筆者の言いたいこととは反対(はんたい)の意見」も書かれていたりするんです。
なぜ、そんなわけのわからないことをするのでしょう。
わけのわからないことには理由があるからです。
(例)イチゴのショートケーキが好きなAくんの主張
(あくまで例(れい)なので、簡単(かんたん)に書きます)
イチゴのショートケーキが好きなAくんがいたとします。
彼に「説明文」を書いてもらいましょう。Aくんの「言いたいこと」は、もちろん「ボクはイチゴのショートケーキが好き」です。
書いてもらったものを見てみると、しかし、そこには
「ボクはイチゴのショートケーキが大好きです。おわり」としか書かれていません。
たしかにこの一文でもAくんが「イチゴのショートケーキが好き」というのは伝わってくるのですが、それにしてもなんともふんわりとした印象(いんしょう)です。
そこに、同じクラスのBさんが「チョコレートケーキもシフォンケーキも甘くておいしいよね。それじゃだめなの? なんでイチゴのショートケーキなの?」と聞いてきたとします。
いつも眠そうなAくんの目が、この時かっと見開きます。
「ぼくは、イチゴと、生クリームと、スポンジケーキが大好きで、それが一度に味わえるイチゴのショートケーキが天才だと思う!!!」
……最後(さいご)の「天才だと思う」はなに言ってるかちょっとよくわかんないですが、さっきの作文よりは、Aくんがイチゴのショートケーキを好きな理由がずっとはっきりしてきたように思います。
なので、このやりとりもぜんぶ、さっきのAくんの作文にくっつけてみましょう。
ボクはイチゴのショートケーキが大好きです。ケーキにはチョコレートケーキもシフォンケーキもあるじゃないか、という人もいますが、ボクはイチゴと生クリームとスポンジケーキが大好きで、それがひとつになったイチゴのショートケーキが何よりも大好きなのです。
どうですか。だいぶ説得力(せっとくりょく)のある文章になったような気がしませんか。
説明文では、筆者の主張と、その反対意見も書くことが大事
さて、上の文章をもういちど読んでみましょう。
ここで大事なのは、「ケーキにはチョコレートケーキもシフォンケーキもあるじゃないか」という部分は、Aくんにとっては「反対(はんたい)の意見」である、ということです。
反対の意見なんですが、それをあえて書いて、また否定(ひてい)することによって、Aくんが最初に書いた一行だけの文章よりも、はるかにAくんの言いたいことははっきりとして、説得力をもちます。
よくできた説明文には、自分の言いたいことに、より説得力を持たせるために、「反対の意見も書く→それをちゃんと否定する」という流れがふんだんに盛(も)り込まれているのです。
3つ前の段落(だんらく)で、「『ああ、コイツはこういうことを言いたいわけね』って正しく把握(はあく)ができたら、説明文の「コツ」は“半分”つかめたも同然です」と書きましたが、「もう半分のコツ」が、「その文章に盛り込まれている『筆者とは反対の意見』も正しく把握(はあく)できること」になるわけです。
まとめると、説明文を読むときのコツは「筆者の言いたいことと、その反対の意見とを、ちゃんと“分けて”読めるようになること」となるわけです。
筆者の意見と、反対の意見を見分ける「装置(そうち)」が接続詞(せつぞくし)
筆者の言いたいこととその反対意見を見分けるのには、やっぱりある程度(ていど)の「慣(な)れ」が必要ですが、そのための明確(めいかく)な「目印」もあったりします。
それが、国語の世界で「接続詞(せつぞくし)」と呼ばれるものです。
(「国語の世界で」と言いましたが、英語の世界にも出てくるので、いまのうちに慣れておくとお得ですよ)
「接続(せつぞく)」というのは、「つなぐ」という意味です。
「また」「そして」「しかし」「すると」「だから」…みたことあるでしょ?
「接続詞(せつぞくし)」とは、上のような、文と文や、言葉と言葉とをつなぐ機能をもった言葉のことです。
たとえば、さきほどのAくんの作文。
「ボクはイチゴのショートケーキが大好きです。
ケーキにはチョコレートケーキもシフォンケーキもあるじゃないか、という人もいますが←
ボクはイチゴと生クリームとスポンジケーキが大好きで、それがひとつになったイチゴのショートケーキが何よりも大好きなのです」
2行目の最後で太字にした「が」は、「だが」や「しかし」などと同じ意味合いをもった接続詞で、その前後で反対の意味合い、つまり説明文では、「筆者のいいたいこと」とその「反対の意見」とを「接続」している場合が多いわけです。
主張と反対意見とをきっちり「分けられ」て、初めて説明文を「読めた」ことになる
このお話のはじめに「教科書やテスト用紙に、文章を正しく読むための「印」などを書き込むことをオススメします」と書きましたが、「印」を書き込んでほしいのは、まさにこうした部分。
筆者の言いたいことや、その反対意見や、そして接続詞に印を付けていくクセを付けてもらうと、いままでよりもっと早く、そして深く文章の内容を理解できるようになるでしょう。
…と、これで説明文の読み方・コツについてのお話はお終まいなんですが、ここまでで文章のボリュームがずいぶん多くなってしまいました(文字数だけで換算(かんさん)すると400字詰原稿用紙12枚分です)。
これ以上は長いなーという感じがしますので、「小説文」「物語文」の読み方・コツについては、次の回に回したいと思います。ゴメンナサイ。
水曜日(4月1日)の夜までにはなんとか。
よろしくお願いいたしますm(´ . .̫ . `)mペコリ.
※本稿の一切の転載等を禁じます。
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