「30歳までにどれだけ積み上げられるか」。スタジオカラー・庵野秀明氏が「エヴァフェス」で語った『クリエイター寿命論』文字起こし

概要

 2026年2月21日(土)~2月23日(月・祝)の3日間に渡り開催された『EVANGELION:30+; 30th ANNIVERSARY OF EVANGELION(エヴァフェス)』。

 その「DAY1」のトークイベントにおいて、「30歳までにやっておくべきことはありますか?」という質問に答える形で、スタジオカラー・庵野秀明氏の「クリエイター寿命論」が垣間見れる一幕があり、これが非常に興味深く、また本サイトを訪れてくださる方々にとっても有益だと思われるので文字起こしをしてみました。

庵野氏「ま、『宇宙戦艦ヤマト』っていうアニメーションの、アニメーションディレクターをやってた石黒さん(故 石黒昇氏)が言ってたんですけど、『人生には、クリエイターにはピークがある。で、大抵のピークは30前後だ』と言われて、確かにそうだと思うんですよ」

庵野氏「僕は30前にやってたのは『トップ(=トップをねらえ!1・2)』と『ナディア(=ふしぎの海のナディア)』なんですけど、あの頃までにやってた、さっきの鶴巻きと同じになりますけど、とにかく30までに自分のピークみたいなものをどこまで上げられるか、あとはそれがどう落ちないように滑空して、なんか運が良ければちょっとふわっと上がるようなことがあるかっていうのが、なんかクリエーターの人生だと思うんで」

庵野氏「そこで急下降しないためにも30までにどれだけ高さを上げとくかっていうのが大事かなと思いますね」

庵野氏「クリエイティブの勝負ってやっぱ30ぐらいまでの蓄積だと僕も思います。それまでに色々やった方がいいですよ。そこからあとは落ちる一方ですから」

庵野氏「もう65のボクが言うんで間違いない(笑)」

MC 松澤ニキさん「そん、あの、庵野さんの場合決してそんなことはないんですけれどもただこの時期──」

庵野氏「いや、それはその時期にまで頑張って、落ちる角度をなるべく緩やかにしてるだけなんですよね」

庵野氏「少なくともアニメーターとしてのピークはもうとっくにすぎてるんで」

庵野氏「ディレクターとか監督とかプロデューサーやってるからそれがまだ緩く済むんですけど、アニメーターとしてはもう全然ダメですね」

庵野氏「技術的にはあの『王立宇宙軍(オネアミスの翼)』っていうのが僕のアニメーターのピークで、勢いというか、本当にアニメーションとしてすごいのはあの自主アニメの『DAICON IV』。もう20代前半なんですよ」

MC 松澤ニキさん「情熱がその時一番……」

庵野氏「そうです。エネルギーが。アニメーションってやっぱエネルギーなんで、自分の中にエネルギーがある時期じゃないとダメですね」

MC 松澤ニキさん「うん」

庵野氏「ジークアクスもちょっと原画やったんですけども全然ダメで」

庵野氏「今の若い人には叶わないなと思って」

庵野氏「鶴巻にはちょっと迷惑かけたなと思うんですけども」

 動画はこちらから。今回取り上げさせていただいた部分は2:50のあたりから。

 こちらは庵野氏の足跡を辿るのに非常にわかりやすくまとめられているなと感じたので載せてみます。

「30歳までにどれだけ積み上げられるか」。スタジオカラー・庵野秀明氏が「エヴァフェス」で語った『クリエイター寿命論』文字起こし
『EVANGELION:30+; 30th ANNIVERSARY OF EVANGELION(エヴァフェス)』特設サイト

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